無垢フローリングを選ぶとき、「杉・ヒノキ・ナラ、どれが良いですか?」とよく聞かれます。正直に言うと、どれも良いです。ただ、それぞれ性質が違います。私が吉野杉を特に好んで使う理由と、他の材との違いをお伝えします。

吉野杉の特徴 ¶
奈良県吉野郡の杉は、急峻な山の斜面でゆっくり育ちます。年輪が細かく(1cmに10〜15本)、密度が高いです。同じ杉でも、平地で育った材より硬く、色が均一です。赤みがかった心材と白い辺材のコントラストが美しく、経年で飴色に変化します。私が仕入れている田村木材さんの材は、乾燥管理が丁寧で、施工後の反りが少ないです。
ヒノキとの比較 ¶
ヒノキは杉より硬く、傷がつきにくいです。独特の香りがあり、抗菌・防虫効果も高いです。ただし、価格は杉より高くなります。また、ヒノキは白っぽい色で、経年変化で黄みがかります。杉の赤みのある色が好きな方には杉を、白い床が好きな方にはヒノキをすすめることが多いです。
ナラ材との比較 ¶
ナラ(オーク)は広葉樹で、杉・ヒノキより硬いです。傷がつきにくく、重い家具を置く部屋に向いています。ただし、硬い分だけ素足の感触は冷たく感じます。杉は柔らかいので、素足で歩いたときの温かみがあります。子ども部屋や寝室には杉、ダイニングにはナラ、という使い分けをすることもあります。
傷と経年変化の考え方 ¶
杉は柔らかいので傷がつきます。これを嫌う方もいますが、私は傷も含めて無垢材の良さだと思っています。傷は削り直せます。色の変化は止められませんが、10年後の飴色の床は、新品より美しいです。「傷がついたら終わり」ではなく、「傷がついたら直す」という付き合い方が、無垢材との正しい関係です。
吉野の田村木材さんには毎年春に会いに行きます。木の産地を知っていると、施工するときの気持ちが変わります。使っている素材の一覧ページでも詳しく紹介しています。